題名:ブッシュが壊したアメリカ
著者:ズビグニュー・ブレジンスキー
出版社:徳間書店
読みやすさ:★★★

印象度 :★★★

総合 :★★★

著者は、カーター政権下で国家安全保障問題担当大統領補佐官
を務める。アメリカを代表する地政学の権威であり、
国際政治全般の大きな流れを洞察できる数少ない戦略思想家
だそうです。ぷりんは本書を読むまで知りませんでした

題名は「9・11」や現大統領のみを連想させますが、
先代ブッシュ・クリントン・現ブッシュと
三人の歴代大統領を国際政治を背景にして
時系列で解説をしています。
さすがに論理展開や洞察力のすぐれた箇所がいくつも
ありましたが、結論は第六章の
1.先代ブッシュ 総合評価 堅実な B
評価:戦術面の能力にたけるが、戦略面のチャンスを
生かせなかった。
2.クリントン 総合評価 むらな C
評価:潜在能力と実績とのぎゃっぷがあまりにも
大きい。
3.現ブッシュ 総合評価 落第の F
評価:単純すぎる独りよがりの世界観が災いし、
一国主義政策で自滅への道を邁進中。
現ブッシュへの評価は、皆さん違和感がないと思いますが
先代ブッシュやクリントンへの評価に対して「?」と
思った方は、本書を読むことをオススメします。
ソ連が崩壊し、冷戦が終結と、紛争の総数が減ってきたにも
関わらず、世界の不安定性は逆に広まり、新たに四カ国の
核保有国が登場し、人類の福祉問題は進展せず、環境問題
に高い優先順位も与えなかった。これらの失敗が一因と
なって、アメリカのリーダーシップの正当性は大きく
損なわれて、大統領の信頼性は世界中で揺らぎ、
アメリカの道徳観の評判に泥が塗られた。
と著者は言っています。
2008年が真のポスト冷戦型世界政策を作る
最後のチャンスと警告をしています。

新聞などで、「今」を読むこと重要ですが、
点と点を結ぶ「線」を理解するために、
非常に参考になる本でした。
なぜ、現ブッシュが「落第のF」なのか
深く知りたい方はどうぞ

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